小説

想い積もりて雪だるま

想い積もりて雪だるま その日、横浜には雪が積もった。  カーテンの隙間から洩れる、やわらかな陽の光。起き抜けの体をゆっくりと起こした蒼司は、ぐっ…

きみのにおい

遊→←ガク/無自覚両片想い ――声が聞こえる。ボクの名を呼ぶ、穏やかな声が。けれども意識の大半は、…

なんでもない特別な日に

つい数週間前まではあんなにも暑さが残っていたというのに、気がつけば次第に冬の足音が迫りつつある。金木犀の香る街角、心地よい秋の風。まだらに散りばめられた薄い鱗雲が、高く澄んだ空…

雷鳴さえも届かぬ場所で

穏やかに流れる昼下がり、仲間たちと過ごす有意義な時間。外の荒れ模様がまるで気にならないほど弾む会話のおかげで、菩提樹寮のラウンジには今日もまた明るい声が飛び交っている。その輪の…