拓蒼

ご褒美アイスは涼しい部屋で

アスファルトすら焦げるような熱が、身体中に突き刺さる。外気に纏わりつく湿気は確実に蒼司の体力を奪って、もはや日陰であるか否かはさして関係なかった。 腕にぶらさげたビニ…

想い積もりて雪だるま

その日、横浜には雪が積もった。  カーテンの隙間から洩れる、やわらかな陽の光。起き抜けの体をゆっくりと起こした蒼司は、ぐっと伸びをした。どうやら今日は一段と空気が冷え…