ボクたちは自分たちのベッドに寝転がり、思い思いのことをしていた。
熱斗は隣で楽しそうにゲームをしている。
ボクはさっきまで本を読んでいたけど、今はなんとなく熱斗を眺めている。
昔はこんなことができるとも思っていなかった。
こんな風になんの変哲もない日々が送れる日など、来ないと思っていた。
今でもボクはまだ身体が弱くて病院にはお世話になってばかりではある。
けれどもこうやって熱斗の隣にいられることに喜びを感じずにはいられない。
なのにいつの間にボクは欲張りになってしまったんだろうか。
ゲームに夢中な熱斗にボクは話しかける。
するとすぐに熱斗はゲームを近くに置いてこちらを向いてくれた。
「何? 彩斗兄さん」
「えっとね、キスしてほしいなって」
自らの唇を指差してそうねだってみる。
そんな唐突な“おねだり”に、熱斗の顔は真っ赤に染まっていく。
「なっ、何突然……っ!」
「ダメ?」
「あ、えと……っ」
恥ずかしいのであろう、先程よりも更に赤く色付いていく様を眺めるのは楽しくて仕方がない。
どうして自分と血を分けた半身がこうも可愛く見えるのだろう。
「もういいよ、熱斗からしてくれないならボクからするね」
ボクは熱斗の震える唇にそっと口づけた。
ゲームに夢中な熱斗にボクは話しかける。
するとすぐに熱斗はゲームを置いてこっちを向いてくれた。
「何? 彩斗兄さん」
「んーとね、キスしてほしいなって」
ボクの唐突なお願いに、熱斗の顔は真っ赤に染まる。
「なっ、何突然……!」
「ダメ?」
「あ、えと……」
恥ずかしいんだろうなあ。
可愛い。
「もういいよ、熱斗からしてくれないならボクからするね」
熱斗の震える唇にそっと口づけた。