こんにちは、千蓮です。
まずは先日のふた宙2にて作品をご覧になっていただいた皆様へ、感謝をさせていただきたく存じます。想像以上にたくさんの嬉しい感想をいただけまして、嬉しさのあまりめちゃくちゃ飛び跳ねました。本当に本当にありがとうございます!
……というわけで今回は、自作品のお話をするのが大好きな私が拓蒼44首連作短歌についてただただ書き連ねるだけのコーナーです。短歌という作品形態の性質上、読み手の方々の解釈を大切にしたい……と思っているのですが、自分にとっても初めての長さの連作短歌なので、備忘録も兼ねてお話をしたいと思います。
自分の解釈を大切にしたい! という方は、追記を開かずにそっと閉じることをお勧めします。というか読んでくださる方も各々が感じたまま、受け取ったままを大切にしてくださいね! あくまでもこの備忘録は、私が「こんなこと考えながらこねこねしてたよ~」って感じのやつなので。ふんわりとした私流連作短歌メイキング的ななにかです。
追記へ入る前にもう一度。私の作品を読んで、なにかを感じ取ってくださって本当にありがとうございました! それでは以下、追記です。
【備忘録】
まず今回、どうして連作短歌を作ろうかと思ったのかというところから。ずばり、「企画の概要欄(作品投稿例)に“短歌”があって嬉しかったから」と「提示されたお題を使った作品を作りたかったから」のふたつです。単純~。
私は短歌大好きですし(じゃないと生み出してない)、短歌の面白さを知ったのも他ジャンルの素敵な作り手さんに出会ったからなのですが、短歌って小説よりも読まれにくいなあと感じることがままありまして。別に読まれることだけがすべてではないとは思ってはいますが、「難しそう」という先入観があるのかあまり馴染みがないからなのか、時々はほんの少しだけ不安になることがないわけでもなかったりします。まあ私も好きで短歌やってるので、人に読まれなかろうがやめる気は(少なくとも今のところは)ないです。そりゃあね、ひとりでも私の短歌を通じてなにか感じ取ってくれる方がいらっしゃれば本望ですけれども。でもだからこそ、「好きだよ」って言ってくれる方がいらっしゃるのは本当にありがたいなって思います。
イベント概要の話に戻りますが、「あ、短歌作っていいんだ!」ってなんか許された気がしたんですよ。別に許可なんてなくても短歌作りますけどね。それでもやっぱり、嬉しかった。嬉しさのあまり、「そうだ、連作短歌作ろう! お題……どれ使おう……。……全部使うか」になってしまったという。そういう経緯でした。経緯の話が長い。
さて、そろそろ本題へ。
今回の連作短歌、本来ならば20首程度に収めるつもりだったんです。というか、そもそも今まで20首弱の連作しか作ってこなかったから今回も~となんとなく思っていたのですが、気がついたらなぜか倍超えてました。びっくりですね。
最初期の方針としては「子供の頃からずっと一緒だったし、関係性は少しだけ変わったけどこれからも、大人になっても大好きだよ、的な連作」でした(メモから引っ張ってきた)。メモには幼少期と牛乳のお題で身長の話を出すことと、誕生日は今まで何度も一緒にお祝いしてきたね、ってことが書いてありました。なんならそれしかメモしてない。あとは「幼少期→5章前~5章→それ以降→〆」とかいう非常にざっくりした構想しかメモしてない。まあでも連作短歌作るときのネタ出しって、大体いつもこんな感じです。というか構想自体もメモはしてるものの、よくよく思い返してみれば短歌を考えながら後付けで思いついて書き留めたような記憶があります。
私の場合、最初は毎回ふんわりしてるんですよね。こんな感じの書きたいな、みたいな断片というか最初の取っ掛かりを書き出して、あとはいくつか思い浮かんだ短歌から改めて方向性をかためていく感じ。小説のときは多少なりともプロットを立ててから書くタイプなのに、短歌に関しては我ながらふんわりしすぎだと思います。多少は勉強しましたが、それでも基本的には感覚でやってる。
最初のほうに思いついたのは4首目の牛乳、2首目のかぶとむし、12首目のいつからか~、16首目のメロンパン辺りだったかと思います。つまるところ、拓斗くん視点の短歌ばっかりだったわけです。……なんですけど、この辺で「三上くん視点も入れたいな、どうしようかな」→思いついたのが9首目の原型みたいな短歌→「うーん、じゃあ交互にするか!」って思考になりました。そこから対応する2首は極力対になるように、そして連作なので全体の流れも緩やかに感じられるように、という方向性が見え始めました。1首目と44首目、10首目と11首目を除き、拓→蒼の順で交互に連作短歌が進行しています。
そんな感じで思いついたのから書き留めつつ、時々時系列が見えるように並び替えたり間に新しいものを付け加えたりしながら徐々に形にしていきました。たとえば最初、かなり早い段階で浮かんでいた20・21首目(ひと月半~/切り分けた~)だけが誕生日関連の短歌だったのですが、後々に「三上くん誕生日も入れたい」と思って対の短歌を追加しています。
あとは未来へと向かっていくふたりの短歌を作るために、ド深夜に金リンゴを読み返してひとりでだばだば泣いてました。確かこの辺を作っている途中辺りで、最初と最後の短歌を作った記憶があります。それとTwitterでは少しお話したのですが、最後の短歌(44首目)は参加イベントがふた宙だったこともあり、その記念と感謝の気持ちを込めた短歌にしています。イベント名、ほんとにいいですよね。大好きです。
それから、実はなんだかんだ最後まで迷ったお題が「大人if」でした。他の4つのお題はさくっと使えたのですが、これだけはどういう方向性にしようかな~としばし迷いました。そんな中、何気なく画像フォルダを眺めていると突然、神からの啓示を得まして。……はい、X年後です。そして気づいたら、いつの間にやらなぜか同棲してる感じになりました。ちなみに38首目で「おはよう」を出した時点で、大人ifのブロックの締めには「おやすみ」を入れようと決めてました。対の言葉を出したり、単語を連動させたり……。連作短歌って本当に楽しいし奥深いです。
こんなことを考えながら、気づいたら44首で拓蒼の人生を綴っていました。あとせっかくなので、連作短歌に私の思考を書き込みしてみました。手書きなので、読みづらかったら申し訳ございません。
そんなこんなでかなり長々と話してしまいましたが、ここまでお読みいただき本当に本当にありがとうございました。これからも楽しく創作活動できたらいいなと思っておりますので、ご縁があればまた作品をお読みいただけたら嬉しいです。
それでは~!